腱鞘炎は、腱を包む鞘(さや)である「腱鞘」という部分の炎症です。特に外来で最も頻繁にみられる代表的な腱鞘炎に、手首が痛くなる「狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)」と、手の指が痛くなる「ばね指(弾発指)」の2つが挙げられます。腱鞘炎は、近年スマートフォン(スマホ)をはじめ、パソコン(PC)、ゲームの長時間利用で発症する人も増えている現代病の一つとも言えるでしょう。
放置して症状が進行すると、痛みが強くなったり関節が固まって伸びなくなったりすることもあるため、手首や指に違和感や軽い痛みがあるくらいだからと放っておかずに、早めに治療することをお勧めします。
狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)とは、親指と手首をつないでいる(親指を大きく広げると、手首に出る)2本の腱「短母指伸筋腱」・「長母指外転筋腱」と、この2本の「腱」が通る2cm程度のトンネル状の「腱鞘」が炎症を起こし、手首に痛みを生じさせる「腱鞘炎」のことです。
手の親指に負荷をかけすぎると、親指を伸ばす働きをする「(短母指伸筋)腱」と広げる働きをする「(長母指外転筋)腱」と、この2つの腱を包むトンネル状の「腱鞘」とが擦れて炎症を起こし、2つの腱は腫れて太く、腱鞘は腫れて厚くなっていきます。そうなると、腱が腱鞘の中を移動するたびに、腱と腱鞘が擦れて、手首に痛みを生じさせます。これが狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)のメカニズムになります。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)は、主に女性に多い疾患と言われています。ホルモン環境の大幅な変化の影響と考えられ、年齢別でみると、発症のピークが2回あると言われています。
妊娠・出産期の女性は、「プロゲステロン」という、妊娠の維持に必要なホルモンが通常期よりも多く分泌されます。一方「エストロゲン」は減少し、通常とホルモン環境が大きく変化します。このプロゲステロンには、2つの腱を包んでいる腱鞘を収縮させるという作用も持っていることから、腱の滑りを悪くする原因の一つと考えられています。
更年期の女性は、卵胞ホルモンとも呼ばれる「エストロゲン」が、閉経に伴い急激に減少していきます。エストロゲンは、女性らしい体つきを作る働きや、髪や肌の潤いを保つ働きだけでなく、腱や関節を柔軟に保つという作用を持っているため、減少することで腱や腱鞘が炎症を起こす原因になりやすいと考えられています。
など、手の親指や手首を酷使している人は、「腱」と「腱鞘」に大きな負荷がかかり、炎症が起こりやすく、「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」発症の原因になりやすいと考えられています。 近年増加している、スマホ(スマートフォン)の使い過ぎによる腱鞘炎のことを、別名「スマホ腱鞘炎」と言います。
1.手の親指を内側に倒す。
2.反対の手で親指を掴んで、小指側へ引っ張る
1、2を行い痛みが増したら、狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)の可能性があります。
当院では超音波検査などで腱鞘の炎症や損傷状況を確認し、治療をご提案していきます。 軽度の狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)に対して、高周波温熱治療や超音波治療で患部の炎症を抑えていきます。また必要に応じて理学療法士が手首の痛みを発生させる原因となる体の使い方やバランスの不十分な部分を評価し、適切にリハビリテーションやテーピングによる治療を行います。併せて、普段心掛けることや自主ストレッチングやトレーニング方法をご提案させていただきます。
また、更年期の症状の一環としての発症が疑われる場合には、血液検査やホルモン補充療法など様々な方法で症状を緩和することで付随症状としての腱鞘炎症状が緩和します。
その他、特に強い炎症がある場合の治療法として腱鞘内ステロイド注射や短期的な固定治療方法もあります。治療上有効と判断した場合にご提案し、患者様とご相談の上行います。
ステロイド注射以外の治療法として、腱鞘内・腱鞘周囲に超音波下に生理的食塩水を注入し潤いを持たせることで炎症を緩和し、使いやすくしていきます。産後授乳中の方やステロイド注射などを避けたい方におすすめの治療法です。
当院では、狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)に対して、PRP療法やPFC-FD療法といった先進医療も行なっています。患者様ご自身の血液中に含まれる血小板を利用した再生医療で、海外では10年以上の実績があり、野球の田中将大選手や、大谷翔平選手が行なったことでも知られている治療法です。
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当院では、ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)に対して、体外衝撃波療法も行っています。衝撃波を患部(手首)に照射することで除痛効果が期待できる、整形外科領域では新しい治療法になります。体操の内村航平選手が、世界選手権前に取り入れた治療法としても知られています。当院では最新型「ディオリスSD1」による体外衝撃波療法が行えます。
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「弾発指(だんぱつし){ばね指(ばねゆび)}」とは、指の曲げ伸ばしの際に、動きが悪かったり痛んだりする疾患です。手の指の使い過ぎが原因で起こる「指の腱鞘炎」です。症状が悪化すると、バネのように指に引っ掛かりを感じたり(スナッピング)自力では手の指の曲げ伸ばしができなくなるため、放っておかずに早めの治療をお勧めします。
手の指には、「(屈筋)腱」と、腱が離れないようにトンネルのような役割をする「(靭帯性)腱鞘」という組織があり、腱が腱鞘の中を移動することで、スムーズな手の指の曲げ伸ばしが可能になっています。
ところが、何かしらの原因で腱鞘に炎症が起きると、腫れて厚くなり、腱の通り道も狭くなり、腱と腱鞘が擦れて痛みを感じるようになります。 擦れた腱にも炎症が起きて太くなり、腱が腱鞘内を通過する際に引っかかるようになります。そのため、スムーズな動きが失われ、指が曲がったまま伸びにくくなるという症状になります。さらに、曲がった指を戻そうとして、無理に強い力をかけると、太くなった腱が腱鞘との引っかかりを通過する時に、急に指が伸びる「ばね現象」が起こります。これが「弾発指(ばね指)」のメカニズムになります。
上記のうちの症状が1つでも当てはまれば、「弾発指(ばね指)」の可能性があります。 「弾発指(ばね指)」は親指や中指に多くみられますが、他の指にもみられることがあります。また、起床時に症状が強く、日中に手を使っていると症状が和らぐのも特徴の一つです。 初期のうちは軽い痛みや違和感だけですが、症状が進行すると、次第に強い痛みや「ばね現象(スナッピング)」という症状が現れるようになります。さらに重症化すると、指が動かなくなることもあるため、早めの治療をお勧めします。
更年期~更年期以降の50歳前後の女性は、女性ホルモンの分泌の急激な低下に伴い、手の関節や腱鞘の水分量が変化し、腱や腱鞘が傷みやすくなる上に、腱鞘の内部が狭くなるため、「弾発指(ばね指)」発症のリスクが高まると言われています。
更年期の女性と同様に、妊娠中や出産後の20代・30代女性も、女性ホルモンのバランスが乱れやすく、一時的に更年期と似たような状態に陥るため、「弾発指(ばね指)」になるリスクが高まると言われています。
「パソコン(キーボードやマウス)」「テニスやゴルフなど手を使うスポーツ」「家事を行う主婦」「ピアノなどで指を酷使する楽器演奏者」など日頃から手や指を酷使している方は、「腱」と「腱鞘」に大きな負荷がかかり、「弾発指(ばね指)」発症の原因になりやすいと考えられています。
関節リウマチや糖尿病のような持病がある方は、末梢の血行が悪いため、「弾発指(ばね指)」を発症しやすいと言われています。さらに、一度炎症が起きると治りにくくなり、重症化するケースも少なくありません。
当院では超音波検査などで腱鞘の炎症や損傷状況を確認し、治療をご提案していきます。 また関節炎などの症状と併発している場合は、関節リウマチの有無なども血液検査を行い調べることも可能です。更年期症状の一環としての腱鞘炎が疑われる場合には、血液検査やホルモン補充療法で痛みを緩和していきます。まずは原因をしっかりと突き止めることが肝要です。
軽度の症状に対しては、弾発指(ばね指)に対して、高周波温熱治療や超音波治療で患部の炎症を抑えていきます。またテーピング治療等を行います。併せて、普段心掛けることや自主トレーニング方法をご提案させていただきます。
その他、特に強い炎症がある場合の治療法として腱鞘内ステロイド注射や短期的な固定治療方法もあります。治療上有効と判断した場合にご提案し、患者様とご相談の上行います。
ステロイド注射以外の治療法として、腱鞘内・腱鞘周囲に超音波下に生理的食塩水を注入し潤いを持たせることで炎症を緩和し、使いやすくしていきます。産後授乳中の方やステロイド注射などを避けたい方におすすめの治療法です。
当院では、弾発指(ばね指)に対して、PRP療法やPFC-FD療法といった先進医療も行なっています。患者様ご自身の血液中に含まれる血小板を利用した再生医療で、海外では10年以上の実績があり、野球の田中将大選手や、大谷翔平選手が行なったことでも知られている治療法です。
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当院では、弾発指(ばね指)に対して、体外衝撃波療法も行っています。衝撃波を患部(手首)に照射することで除痛効果が期待できる、整形外科領域では新しい治療法になります。体操の内村航平選手が、世界選手権前に取り入れた治療法としても知られています。当院では最新型「ディオリスSD1」による体外衝撃波療法が行えます。
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