アキレス腱は人体最大の腱であり、腓腹筋やヒラメ筋が折り重なってできています。その役割は、腓腹筋やヒラメ筋の力を踵(かかと)へ伝えることであり、これにより、歩行や跳躍などの運動、つま先立ちなどが可能になっています。
アキレス腱の表層にはパラテノンと呼ばれる腱上膜があり、アキレス腱は血流豊富なパテラノンに包まれています。アキレス腱とパラテノンの間には組織液が含まれており、摩擦を軽減しています。またアキレス腱の奥の方にはKager’s fat padと呼ばれる脂肪組織がありアキレス腱へ血流を供給しています。 アキレス腱周囲炎は、アキレス腱に繰り返し負荷がかかることにより、パラテノンや脂肪組織に炎症が生じ、肥厚したり癒着することで痛みを引き起こします。特徴的な症状としては、運動時、アキレス腱に痛みが生じたり、圧痛があります。状態が悪化すると運動後にも痛みが持続します。 通常アキレス腱は1トンまでの負荷にも耐えうるほどの強靭な腱ですが、 繰り返し負荷がかかることでアキレス腱周囲炎が進行し、微細損傷(アキレス腱炎)を引き起こします。さらに変性が進むと腱の断裂(アキレス腱断裂)に至る場合もあります。
アキレス腱周囲炎は、アキレス腱に繰り返し負荷がかかることが原因で発症します。 足首は多くの体重がかかる部位で、走ったり、ジャンプするなどの動作で体をわずかにねじる癖があったり、骨盤が左右にブレたりすることでアキレス腱周囲が過度に引っ張られます。このような動作が繰り返されるとアキレス腱周囲に過剰な負担が生じ、炎症が引き起こされ、結果としてアキレス腱周囲炎を発症します。
アキレス腱の炎症(圧痛や腫れ、熱感等)を確認し、足首を動かして圧痛の場所が移動するか確認します。痛みの場所が移動するとアキレス腱炎、移動しなければアキレス腱周囲炎が疑われます。
※画像所見
当院ではまず超音波エコーでアキレス腱の状態を確認していきます。
アキレス腱周囲の肥厚や炎症が有無、アキレス腱の線維に微細な損傷がないかなどを調べ診断してきます。
場合によってはMRI撮影を行い、アキレス腱およびその周囲の信号変化を確認します。
当院では理学療法士が患者様のアキレス腱の炎症に対して、高周波温熱治療や超音波治療で患部の炎症を抑えていきます。また足の形状や使い方のクセや姿勢評価から、アキレス腱に負担がかかっている原因を探り、ストレッチや筋力強化、インソールやテーピングで根本的な原因を改善し痛みを軽減していきます。
当院では、アキレス腱周囲炎に対して、体外衝撃波療法も行なっています。衝撃波を患部(アキレス腱周囲炎)に照射することで除痛効果が期待できる、整形外科領域では新しい治療法になります。体操の内村航平選手が、世界選手権前に取り入れた治療法としても知られています。当院では最新型「ディオリスSD1」による体外衝撃波療法が可能です。
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当院では、アキレス腱周囲炎に対して、PRP療法やPFC-FD療法といった先進医療も行なっています。患者様ご自身の血液中に含まれる血小板を利用した再生医療で、海外では10年以上の実績があり、野球の田中将大選手や、大谷翔平選手が行なったことでも知られている治療法です。
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この時期を利用して、日ごろ抱えていたケガや痛みを完治させませんか?
当院では、職員全員を対象に隔週でPCR検査を行っております。安心してご来院下さい。
※また、職員の新型コロナウイルスのワクチン接種が2回完了しております(5/16時点)。
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